Tips
5.242023
新たなパウチ選びのポイント
新たなパウチへの変更(パウチ選びのポイント)
現在使用中のパウチから別のパウチへの変更を考えられている方向けにポイントをご紹介します。
1. 専門家のアドバイス
まずはWOCナースなど、ストーマケアの専門家に相談し、現状の問題点、悩み事を伝えアドバイスをもらいましょう。担当看護師はオストメイトの方々の腹部やストーマの状況を実際詳しく観察されていますから、具体的にそれに適したパウチの選択をサポートしてもらいましょう。
2. 皮膚保護とアレルギー
日常の排泄物の量、性状に応じて腹部、ストーマ周辺部の皮膚に合う皮膚保護剤を選ぶことで、腹部の肌荒れ、ただれ、アレルギーのリスクを軽減できます。
パウチの素材や皮膚保護剤の種類にも注目しましょう。不織布の有無や、透明なパウチの選択など、スキンケアと皮膚の健康を考慮したパウチを選ぶことも重要です。
一般的には、皮膚が敏感な方は、装着期間が短めな溶解タイプの面板を勧められることが多いようです。皮膚トラブルやアレルギー反応を防ぐためには担当看護師の適切なアドバイスが必須となります。
3. ストーマ周辺腹部の状態および形状
2の皮膚保護に関連して、ストーマ周辺腹部の状態と面板(特に厚み、硬さ)との相性も重要です。周辺部が皺やくぼみなどで不規則な形状をしている場合、初期タック性能に優れ、薄く柔らかい面板を選ぶことで漏れや剥がれ防止に有効に機能する場合があります。さらに別途皮膚保護剤を腹部に貼り付けて腹部を平坦化した上でパウチを装着することも有効です。
4. フィット感と快適性
適切なサイズと形状のパウチを選ぶことが重要です。日常生活における排泄物の量により、様々な容量のパウチが選択可能です。排泄物の性状(液状、固形)に応じて、フィルターの有無、排泄物の臭いを抑える機能なども考慮しましょう。
市販のパウチの中には日本人にとっては長めのパウチ長を持つものも存在します。また排泄口の端の形状により鼠径部に当たって不快な場合もあります(痛いパウチ参照)。
パウチが正しくフィットし、快適に装着されることで、漏れや不快感のリスクを最小限に抑えます。また装着期間、パウチ交換間隔も日々の生活の中では重要となります。面板の皮膚保護剤の相性が良ければ長期型パウチの選択も可能となります。
5. 装着と取り外しの簡便さ
装着と取り外しの手順が簡単で使いやすいパウチを選ぶことも重要です。特に手や指の動きに制約がある場合や、日常的なパウチの交換を考慮して、操作しやすく清潔に保ちやすいデザイン(”ふき取りやすいパウチ”参照)を選びましょう。
6. 経済性
パウチの価格や耐久性も検討する必要があります。長期間使用できるパウチを選ぶことで、予算を抑えることができます。
7. 日常生活への適合性
日常生活における活動や衣服の選択に制約がないかどうかも考慮しましょう。パウチが目立ちにくく、自信を持って動けることが重要です。
上記のポイントを考慮しながら、オストメイト用のパウチを選ぶことで、快適な生活とストーマケアを実現することができます。
8. 自分に合うパウチは2,3種類は持っておきましょう
ストーマ歴が長くなってくると、たまにストーマ周辺の皮膚が荒れたりする場合があります。またずっと同じパウチだけで過ごしていると、体調により皮膚アレルギーに似たような症状を発症することもあります。その際には別の面板(皮膚保護剤)を装着し、例えば普段膨潤タイプのパウチを使用の方が、時には肌に優しい溶解タイプのパウチも交えて使用したりするなどで症状が改善することがあります。日々装着するパウチ1種と、その他1,2種類を予め選んでおくことも重要です。
9. 最後に
自分に合うパウチを見つける上で最も重要なことは、積極的に様々なパウチを実際に試着してみることです。もちろん担当の看護師との相談の上ですが、日本で販売されているパウチメーカからは全社サンプル品の提供を行っており、直接あるいは代理店経由で請求すれば数日で手元に届きます。使用してみない限りはその使用感や着け心地、皮膚との相性はわかりません。
より良い、自分にとって快適なパウチと巡り合うためには、面倒くさがらずに積極的に新しいパウチを試着されてみることを強くお勧めします。