Tips
11.22017
パウチ装着中に”ねじれ”って感じたことありませんか?
ストーマパウチのねじれについて考えてみました
入浴を終えバスタオルで体を拭いている時や、就寝近くにパウチを何もサポートしないままパジャマ姿でトイレまで歩いて行った際に、何かパウチがねじれている感覚って経験ありませんか?
日常生活でそれ程気になる問題ではないのですが、実は実際ねじれています。
それでは、どんな状況でねじれるのでしょう。
考えられる要因は以下です。
1、排泄物がパウチ内で偏っている場合
2、パウチが腹部に傾いて装着されている場合
3、パウチを覆う不織布と面ファスナーの一部が張り付いている場合
4、パウチに起因する場合
1、2の場合は対処すべき問題点は明らかです。3に関しては確かに面ファスナーと不織布が張り付くパウチがあります。この問題に関してはいくら丁寧に巻き上げて面ファスナーを接着しても体が動くことで張り付くことは不可避です。
この問題点はメーカによる改善を待つ以外ありません。それではこれ以外に4のパウチに起因するねじれは有るのでしょうか?いろいろな種類のパウチを装着してみると、確かにねじれを感じやすいものと、そうでない物が存在するようです。
ねじれを感じるパウチを観察してみると2種類の要因がありそうです。
1、パウチの構造による問題
2、パウチの幅、長さ及びパウチと面板をつなぐ接合面径∮のバランスによるもの
1の構造上の問題とは、大半のパウチは複数フィルムがラミネート状に重ねられて、シンプルな袋状の構造をとっていますが、一部のパウチは排泄物の逆流防止機能実現のため、袋の中央部に接合部分があったりするものがあります。この場合、排泄物が溜まってくると、パウチを構成する層ごとにテンションがかかる部分が違うケースが発生します。これがねじれとして感じられるようです。
2のバランスの問題ですが、パウチの幅を同じとすると、パウチと面板をつなぐ接合面径∮(パウチホルダーのページに詳しく説明してあります)が小さいほど不安定といえます。またパウチが長ければ長いほどねじれ易くなるはずです。更に同じ接合面径でもパウチの面積が大きくなればより不安定になるはずですから、パウチの幅が広い方がねじれ易いと予想します。
この3つのパラメータでねじれ易さを考えると、
ねじれ易さ∝(パウチの最大幅)×(面板中心~閉じた状態のパウチ最下部までの長さ)÷(接合面径∮)
と表すことができそうです。正確にいうとパウチ内の重さが大きく条件を変えますが、同じ重さで、且つパウチというかなり似通った範囲の製品内では比例関係と見ても良いのではと思ってます。
そこでいくつかパウチの寸法を測定してねじれ易さ指数として計算してみました。
下の表では、上で述べた仮説をもとにねじれを感じやすい順に並べてあります。表中の”パウチ長”とは、面板の中心からパウチを巻き上げた後の最下部までの長さをいいます。
各社パウチとねじれ易さ指数
実はこれ、帰納法的なアプローチで考えたものですが、40以上の指数を示すパウチはねじれを感じることがあります。表中の2製品に関しては、いづれもパウチの幅、長さは他製品と同程度で、接合面径が小さいことで数字が大きくなっています。
誤解を招かないようご説明しますが、ねじれは日常生活の中では、限定的にしか発生しない現象で、しかもあまり気にならない問題です。この数字が大きいからといってパウチ選びの判断基準にはされない方が良いと思います。これからもレポートをアップしていきますが、接合面径が小さい事は、べつの大きなメリットがあるのです(”ポッコリお腹矯正パウチ?”参照)。
Tipsの内容に関する件でご意見ください。より良いレポート作りの参考にさせていただきます。