Pick-upしたsalts製品：『コンフィデンス』シリーズ/ナチュラル アドバンス/コンベックス（凸）スーパーソフト ドレナブル/ソフトコンベックス（凸）カットアップ

（写真　AC：アドバンスカットアップ、DB:ドレイナブル）

イギリスに本社を置くSalts Healthcare社の製品は、国内でソルブ株式会社が販売している。
本社創業はなんと300年以上前の1701年。ストーマ装具の発売開始は1956年の老舗企業。

■ ソルツ社の主要パウチ製品のラインアップ

製品ラインは、“コンフィデンス”ブランド下に“ナチュラル”、“コンベックス スーパーソフト”、“コンフォート フレックスフィット”が並ぶ。

更にコンフィデンス ナチュラルには、フラットタイプのオリジナル“ナチュラル”と、ストーマ孔が最大90㎜まで対応可能な“ナチュラル アドバンス” 、“ナチュラル ソフトコンベックス”の三種がある。

ナチュラルとは、面板の皮膚保護剤に保湿力の優れたアロエベラエキスが配合されているもので、アロエベラとは、数百種類にのぼるアロエの品種の中でも比較的大きなアロエのことで、これに含まれる多糖体により保水力が発揮されるとのこと。

ナチュラルブランドの他には、ナチュラルよりも硬めの面板を持つ“コンベックス スーパーソフト”と、小児用の“コンフォート フレックスフィット”がある。

１、ストーマパウチ（バッグ）本体

パウチの表裏に不織布がついた不透明タイプと、不織布の無い透明タイプがあるが、大半が不透明タイプで、透明タイプは”ナチュラル/アドバンス”、”コンフォート”のみ。

不透明パウチでも、ストーマ部分を観察できるように”のぞき窓”と呼ばれる切れ込みが不織布に入れてある。
透明タイプのパウチ外観はユニークで、写真S1（↑）のように、ストーマ周辺部約65mm径のみが透明で、周辺部はフィルター素材で覆われている。

不織布に覆われている他社のパウチに見られるような、不織布と排泄口の面ファスナーの張り付き（装着時）はなく、面ファスナーの素材が良く考えられている。

パウチバッグは、通常は共通仕様のものが多い中、ソルツ社のバッグはその都度設計がされているようで、微妙に長さ、幅などサイズが異なる。

パウチ容量は、カタログには470ml～630mlと記載されているが、弊社調べ（パウチのストーマ孔を塞いで水を充填して測定）では、700ml～900mlと大容量の部類に入る。

バッグは3層のラミネート構造からなり、その上から消臭効果付き排気口が付属するが、その付属位置は（右写真）、他社がパウチ上部に配置しているのに対し、ソルツ社のものはストーマ孔の斜め下に配置されている。位置的に排泄物が付着し易く、パウチ上部の方が良いと考える。

またパウチによって、全長を短くするための収納用面ファスナーがついているものと、それ以上の長さがあるにも関わらず、ファスナーがついていないものがある。

更に排出口の開口用タブも付いているモデルと無いモデルが存在し、各製品の設計コンセプトが多少わかりづらく思える。

２、面板

面板のバッキングフィルムは、ツルツルとした手触りの良い不透明なポリマー材で防水仕様である。不透明であることから面板周辺の吸水具合は確認できない。
ナチュラル アドバンスの面板は、ソルツ社パウチの中はで最も柔らかく、パウチ交換時には皺が寄らないよう注意して貼付する必要がある。非常に薄くて、鋏によるカット時も薄さがゆえに力を加えずに簡単にカットできる。
イーキンドットの面板同様、面板周辺部5か所にスリットが設けられ、ポッコリとした腹部形状に対しては皺より防止策として効果的である。

ソルツ社パウチ全製品で、ウロストミーパウチ以外は全てが溶解タイプで、装着期間は他社の溶解タイプの面板と比べて短めといえる。
剥離後の面板を観察すると、膨潤タイプと溶解タイプの中間のような皮膚保護剤で、吸水による溶解現象は認められず、粘着きも少ない。面板の剝離直後の腹壁も、全くべたつきが無い。

本皮膚保護剤は、吸水の結果、溶解により剥がれが生じるというよりも、吸水により粘着力が徐々に劣化していき、剥がれが生じるようなタイプである。

”コンフィデンス ナチュラル ソフトコンベックス”の面板サイズは、134mm×125mmと非常に大きく、欧米人より小柄な日本人では、面板が鼠径部に当たるのではと危惧される。

３、排出口及び留め具（ドレナージタイプ）

排出口の幅は、全社パウチの中でも最も小さなサイズで57mm。片面は柔らかな樹脂プレートで、もう片面はパウチバッグ素材である。開口のためのタブが付属しているモデルもあるが、パウチ素材を引っ張ることから、水様便以外はあまりうまく機能しないように思える。

排出作業は楽に行えるが、片方の素材が柔らかすぎるため、排出口両端を指で押さえても開かず、ふき取り作業時のふき取り感が乏しく多少不満が残る。

排出口留め具は、イーキン社、コロプラスト社と同様の構造を持ち、パウチの両脇から伸びたタブでもう一方の面ファスナーに圧着するタイプである。両方とも樹脂製の面ファスナーで、接着力は程よく、剥がし音も大きくない。

先にも述べたが、これら面ファスナー群と不織布が接着することが無く、素材選びが功を奏している。

■ オストメイト向けTips 一覧へ戻る

■ HOMEページTOPへ戻る

PRODUCTS

オストメイト/お尻の痛みにお悩みの方々に向けた製品です

/オストメイト向けTips 一覧はこちら
/HOMEページTOPはこちら

 Loading ...