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11.152017
ストーマパウチ各社詳細レポート – 国内で入手できる全7社8ブランド –
1、はじめに
現在全国には約25万人のオストメイトの方達がおられます。そのなかで使用されているストーマパウチは百人百様で、症状や腹壁・肌の状態、環境ごとにそれぞれ違うものが選ばれるているです。
パウチの選択はオストメイトのストーマライフに大きく影響を及ぼすほどのアイテムです。そのパウチはどんなメーカーからどんな種類のパウチが提供されているのでしょうか。ここでは国内で入手できる全パウチメーカー各社の主要パウチを実際に装着してもらった上で、その使用感をを含め、詳細にレポートします。それぞれどのような特徴をもち、どこが違うのでしょうか?
パウチを選択されるうえで、看護師さん、メーカのカスタマーセンター、販売代理店は強い味方ですが、本当のところは実際に自分で試してみないとわかりません。それは症状に合ったパウチという観点の他に、日々接していく装具という意味で、使用感、使い勝手の良さも非常に重要な要素になって来るからです。
これだけはメーカのスペックシートを見ているだけではわかりません。様々なパウチをそれぞれメーカから取り寄せ、実際に使用してみながら試してみることが、自分に合ったパウチを探し出すうえでは最も確実な方法ですが、調べるにも試すにもかなりの時間と労力がかかってしいます。
本レポートでは、万人に不変の事実をお伝えするというものではなく、実際の使用者の主観的な目線でレポートしていきます。
ここではあえて具体的にメーカ間の比較を行うことで、今使用されているパウチとどう違うのかを具体的なイメージを持っていただくために、他メーカとの比較、使用感、便利な点、改善が望まれるような点を網羅しながらレポートしていきたいと思っています。
もしメーカの方々で本レポートをご覧になられて、弊社で誤って認識、理解してる点や、訂正、ご意見等ありましたらどんどんご指摘いただければ幸いです。
2、各社パウチ比較
2-1, 選定パウチ
今回の調査では、コロストミー/イレオストミー用ワンピースストーマ装具(以下総称して「パウチ」という)に焦点を当て、これらの中から各社のフラッグシップ商品ともいえる製品を選定パウチといたしました。
① アルケア社:セルケア1・TD、セルケア・TDc
② イーキン社:イーキンパウチ フラットドレナブル
③ コロプラスト社:センシュラ ミオ1、アシュラ コンフォート ワイド
④ コンバテック社:エスティーム インビジクローズ ドレインパウチ
⑤ ダンサック社:ノバ1 フォールドアップ X3/ソフトコンベックス
⑥ ビー・ブラウン社:フレキシマ アクティブロールアップ Midi/Maxi
⑦ ホリスター社:モデルマフレックス SF, FW, FT ロックンロール
2-2、 評価にあたっての事前考察
2-2-1, パウチの主要評価項目
パウチの機能評価をするにあたって、そのパフォーマンスに影響を与える箇所は以下の4点と考えます。
① パウチ(バッグ)本体
② 面板
③ 排出口
④ 排出口留め具
その他、一枚当たりの価格も大きなファクターとなりますが、今回は機能、使用感に焦点をあてたいと思います。上に述べたそれぞれの項目の具体的な着目点、評価項目を以下挙げます。
① パウチ(バッグ)本体
・丈夫さ、耐久性
・排気口機能
・手肌に触れた際の肌触り(不織布があればその感触)
・装着時のカサコソ音
・パウチのねじれ
② 面板
・皮膚保護剤の種類及び装着感
・耐久期間、寿命
・吸着、接着力(初期接着力、持続接着力)
・交換処理の際の剥がしやすさ(剥離刺激)
・交換時の腹壁に残留する皮膚保護剤の洗浄のしやすさ
・寿命(吸水進度)に関する視認性
③ 排出口
・構造(材質、面ファスナーの構造、止め方)
・排出処理のやり易さ
・洗浄、拭き取り作業のやり易さ、清潔に保てるかどうか
・留めやすさ
・剥がす際の面ファスナー音
・漏れ等
④ 排出口留め具部分
・巻き上げ回数
・面ファスナー素材と接着、脱着のしやすさ
・面ファスナーの留め方
装具全体としての寿命は、定期的に日数で交換する場合を除いては面板の剥がれや臭い漏れで寿命と判断する場合が大半だと思われます。パウチ(バッグ)の耐久性に関しては、今迄の使用実験中に何らかの支障をきたして交換に至る事例は一切発生しておらず、99%以上が面板によるもので、1例だけ排出口の面ファスナーの1つが剥がれて寿命を迎えた例がありました。
従ってバッグ自体の耐久性は面板のそれと比較して十分長く、今回の調査では耐久性に影響を及ぼすような現象、メーカによる差は見いだせませんでした。
また排気口の機能に関しては、メーカ毎にその機能の有効性、差が実感できなかったため別途実験を行いました。
他のTipsでご紹介しております実験結果と合わせてご覧いただければと思います。
事前考察
1, 各社パウチの排気口能力比較
2, 面板の皮膚保護剤の配合、塗布、貼り付けパターン
3, 溶解型、膨潤型の観察
4, パウチのねじれ係数に関する考察
5, 排出口の汚れライン数と分散数比較
6, 各社パウチ(面板)の耐久実験
7, 各社パウチのカサコソ音比較
パウチの交換時期に関しては、本来であれば交換すべき時期を過ぎているとのご指摘を頂くかもしれませんが、今回はギリギリのところまでパウチがどのように変化するかを見るため、多少長めに装着してもらったことを予めご了承下さい。
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PRODUCTS
オストメイト/お尻の痛みにお悩みの方々に向けた製品です
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”面板を全周にわたりきちんと強めに押さえたい”
そんな要望から生まれた製品です。メーカの補助的ホルダーとは違い、ヘルニア防止などお腹の出っ張りをしっかり押さえることを目的としたパウチホルダーです。
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本製品は12cm厚のクッション3点セットで、中央の腹部用クッションは24cm×18cmの楕円穴がパウチ部分をスッポリ覆ってくれます。ストーマの圧迫から解放され、頭部、脚部のクッションを自由に配置しながら、うつ伏せ読書、テレビ鑑賞、物書きやマッサージをお楽しみください。腰痛改善のためにも体を満遍なく回転させましょう。
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