Tips
5.302023
オストメイトが直面する悩みや問題
ストーマ造設によりオストメイトには様々な悩みが生じます。一人で悩まず積極的に専門家への相談、サポートグルプへの参加をお勧めします。
1,漏れや剥がれ等パウチに関する問題
パウチの漏れや剥がれは、正しい装着や適切なパウチの選択に関連しています。また面板に接する腹部の汗の量、ストーマの形状の変化などが原因となる場合があります。
● 漏れやパウチの装着不良
- 原因: パウチの不適切な装着、面板の装着期間超過、体形やストーマ周辺部形状の変化、不適切なサイズや形状の選択の問題など
解決策としては、正しいサイズと形状のパウチの把握/選択、適切な面板の使用、定期的なスキンケア等、必要に応じて、医療専門家や担当看護師に相談しましょう。
●臭いやガスの問題
- 原因: パウチのガス抜きフィルターの劣化または詰まり、食事や消化による多量のガスの発生など
解決策としては、ガスフィルターのメンテナンス(目詰まり解消、防水フィルターの着脱)またはパウチの交換を行うこと。食事や摂取物の管理、臭いを軽減するためのデオドラント製品の使用など。
2,皮膚のトラブル、スキンケア
ストーマ周囲の皮膚の健康を維持し、それら状態を把握、観察することが重要です。時に皮膚の湿疹、かゆみ、炎症、感染などの問題が発生することがありますが、これはパウチバッグとのこすれ、面板(皮膚保護剤)との相性またはアレルギー反応、過剰な湿度/汗などが原因となる場合があります。
自分に合ったパウチの選択、適切なスキンケア製品や洗浄剤の使用、汗等湿度管理、アレルギー反応の確認などが重要です。
3,生活の制限や活動への不安
オストメイトは、スポーツや運動、水泳、旅行などの日常生活や活動に制限を感じることがあります。しかし、適切なパウチとアクセサリーの使用、必要な事前準備をすることで、多くの活動を継続することが可能です。専門家のアドバイスや様々な情報を参考にして、自信を持って活動に参加しましょう。
●うつ伏せ姿勢
- オストメイトにとって、うつ伏せ姿勢はストーマやパウチへの圧迫を考え、どうしてもためらいがちになるものです。
“腹臥位(ふくがい)療法”とは、うつ伏せ姿勢をとることによる療法で、血流や呼吸器機能の改善、脳梗塞や整形外科関連のリハビリでもよく用いられ、うつ伏せ姿勢を毎日一定時間とることで様々な効用が期待でき、精神機能・呼吸機能やねこ背の改善が期待できます。
特にネコ背は、肩こりの原因になる他、腰痛の原因となったりしますから、この猫背を解消するためにうつ伏せ姿勢で、できれば毎日短時間でも行うことで背骨の伸びを促します。
4,ストーマに対する意識
ストーマが目立つことや他人に見られることに対して過剰な自意識が芽生えることがあります。これは身体イメージや自己受容に関する問題であり、①パウチカバーや特殊な下着、ファッションアクセサリーなどの利用、②オストミーサポートグループへの参加、③専門家によるカウンセリングなどが問題を解決する手助けとなる場合があります。
5,情緒的なストレスや心理的な問題
ストーマ造設手術後、身体的な変化や生活の変化に伴って心理的なストレスを引き起こすことがあります。心理的な問題や不安、うつ状態などに関しては、専門家のカウンセリングやサポートグループへの参加が助けとなります。