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5.232023
ストーマ用パウチについて
ストーマパウチについて
ストーマパウチ(ストーマバッグ)は、ストーマからの排泄物を受けるための特殊なバッグです。パウチは、ストーマ周辺の皮膚に密着し、安全かつ快適に排泄物を収集し、臭いや漏れを防ぐ役割を果たします。
1,オストメイト用のパウチには”1ピース”と”2ピース”の2つのタイプが存在します。
■ 1ピースタイプ:パウチバッグと面板が一体化。オストメイトのおよそ80%(弊社調べ)の方が利用。
特徴
1,簡単な装着: パウチバッグと面板が一体化しているため、装着が簡単
2,コンパクト: 一体化により、装着がスリムで薄く、衣服の下で目立ちにくい
■ 2ピースタイプ:パウチバッグと面板が分離しているパウチ
特徴
1,パウチバッグとフランジが別々になっているため、ストーマ周辺の観察、ケアや処理が容易
2,ストーマ用パウチの構成パーツと機能
ストーマ用パウチは、以下の主要なパーツから構成されています。
1. パウチバッグ(ストーマ袋: Collection Bag)
パウチバッグは、ストーマからの排泄物を収集する袋です。袋は透明または非透明の素材で作られており、排泄物の確認や管理を容易にします。
2. 面板(Face Plate)
面板は、パウチを腹部に接着するためのプレートで、皮膚との接触部には皮膚保護剤(Skin Barrier)が塗布されていて、腹壁の保護及び密着性、保形等が評価されます。2ピースタイプの面板では、フランジ(Flange)とよばれる面板とストーマ袋を結合、取り外し可能な構造を有します。
4. 排気フィルター (Venting Filter)
排気フィルターは、パウチ内の気圧の調整とガスの放出を助ける役割を果たします。これにより、パウチが膨らんだり、必要以上にガスが抜けることを防ぎます。
5. 排出口 (Closure)
排出口は、パウチ内の排泄物の処理を行うために必要で、以前はクリップ等で止めることで漏れ防止を実現していましたが、最近はマジックテープ構造で簡単に取り外し可能なパウチが主流となっています。
3,ストーマパウチに求められる機能
1,耐水性: 水に強く、シャワーやお風呂に入る際にも装着したまま使用できることが必須。
2,防漏性: 排泄物の漏れを防ぐために排出口はしっかりと密閉でき、日常生活で安心して活動できることが必要。またパウチバッグも複数の層からなるラミネート構造をとり、装着期間中にバッグが破損して排泄物が漏れることがあってはならない。
3,防臭性: ストーマからのガスがバッグから漏れ出ることがないことが必要。
4,通気(脱気)性:コロストミー、ウロストミー用パウチの一部はガスでバルーニングが生じた際、ガスが外部に排気できるようバッグ上部にガス抜きフィルターを持つ。脱気の際には、防臭フィルターを通すことで防臭対策が施される。
4,長時間装着:パウチは毎日交換するものから、長期(2日~5日)間装着可能なものがあり、腹壁と長時間にわたり接着できることが必要。
5,透明性:ストーマバッグをつけたままストーマ、排泄物の状態を確認するため、オストメイトによっては透明な素材が求められます。
6,ストーマ周辺腹壁保護:面板の皮膚保護剤がストーマ周辺部の腹壁をアレルギー反応、かぶれ等から保護し、長時間にわたり接着できることが必要。
自分に合った適切なパウチを正しく装着し、快適に使用するためには、その選択と使用方法について、看護師やオストミーナースからの指導を受けることが推奨されます。